西澤です。
先日、千葉への出張帰りの新幹線で読んだ1冊の本が、ずっと考えていたことをきれいに言語化していました。苫米地英人さんの『オーセンティックコーチング』です。「オーセンティック」は「本物の」という意味。コーチングの本なのですが、そこに書かれていた「職業の考え方」がすごく刺さって、動画でも話しています。
「職業」と「お金」を分けて考える
この本で印象的だったのは、「職業」と「ファイナンス(お金)」を分けて考えようという指摘です。職業は、お金を稼ぐためにあるとは限りません。
私の家の近くには、毎朝、通学する子どもたちや道行く人のために、ボランティアでゴミ掃除をしてくださっている方がいます。お金をもらっているわけではありません。でも、あれも立派な職業です。対価としてお金をいただく仕事も職業。その両方があっていいんです。
そのうえで本が問うのが「拝金主義」です。つまり、お金が前提で動いていないかということ。
- お金をもらえなかったら、今の仕事を続けますか?
- 報酬がゼロでも、誰かのために動けますか?
AIが広がっていく今、この問いは少しずつ他人事ではなくなってきています。
AIが仕事を引き受ける時代が近づいている
今、ChatGPTやClaudeのような生成AIは、調べ物・文章作成・コーディングといった画面の中の仕事を引き受けています。さらに、ロボットが実際の現場で動く「フィジカルAI」も進んでいて、農業や工事のような現場の仕事もAIに移っていく流れがあります。日本政府も、経済産業省・NEDOの「GENIAC」というプロジェクトで、生成AIの開発やフィジカルAIの社会実装を後押ししています。
GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)|経済産業省この先、AIやロボットがお金を稼ぐ側になり、人間がベーシックインカムのような形で一定のお金を受け取って暮らす社会もありえます。私は、ここ10〜20年の間に「働くこと」の前提が大きく変わっていくと考えています。
そのとき、働くか働かないかは自由です。でも「何もしなくてもお金が入る」状態になったとき、それでもお客さんや誰かのために動けるかどうかで、人ははっきり分かれていくと思うんです。
「お金がなくても動けるか」で差が開く
この問いは、本を読む前からずっと持っていたものです。
楽しくお客さんのために動けるか。趣味のような感覚で、お金が伴わなくても続けられるか。ここが、これからの時代に気持ちよく働き続けられる人と、そうでない人の境目になっていくと感じています。
DXの仕事は特にそう
IT業界は利益率が高く、値段もピンキリです。うちが300万円でできる仕事が、大手では1,000万〜2,000万円になることもあります。お金が動きやすい業界だからこそ、「お金ありき」で動くと危ない。
そしてDXは、システムを作って終わりの仕事ではありません。現場の人と根気強く話して、使ってもらって、困ったところを回収して、少しずつ直して育てていく仕事です。これはお金ありきではなかなか続きません。「お客さんに喜んでほしい」「自分の知識を社会に役立てたい」「もっとスキルをつけて実装に活かしたい」。そういう思いがないと、最後まで伴走できない仕事です。
実際に現場へ伺って考えたことは、[成田の板金塗装会社さんへの訪問記事](/blog/real-usable-dx)にもまとめています。
「欲しいもの」が原動力の時代も変わっている
僕より上の世代、40代半ばや50歳以上の方は、好きな車・家・趣味の時計といった「欲しいもの」が仕事の原動力だった時代だと思います。でも僕らの世代は、物への憧れよりも、違うものに価値を置く流れが強くなっています。
会社を経営する側として、売上を上げて会社を存続させることはもちろん大事です。そのうえで「お金が伴わなくてもこれをやるか」と自分に問い続けることが、これからの経営にも仕事との向き合い方にも効いてくると思いました。
おわりに:お金がもらえなくても、働きますか?
明日から報酬がゼロになったとしても、あなたは今の仕事を続けますか?
お金は大事です。売上を上げることも、会社を存続させることも大事です。そのうえで「お金が伴わなくても誰かのために動けるか」という問いは、同時に持っておけるものです。その答えが、フィジカルAIが当たり前になった時代の仕事のモチベーションにも、人生の豊かさにもつながると私は思います。
興味のある方は、苫米地英人さんの『オーセンティックコーチング』を読んでみてください。コーチングの本ですが、これからの仕事との向き合い方を考える材料がたくさんあります。
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※動画は2026年10月に公開したものです。『オーセンティックコーチング』(苫米地英人・著)の内容には、私なりの解釈を含みます。
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