コラム

AIでアプリが簡単に作れる今こそ大事な「本当に使えるDX」|成田でDX相談

AIでアプリが簡単に作れる今こそ大事な「本当に使えるDX」|成田でDX相談

西澤です。

千葉の成田空港の近くにある板金塗装の会社さんに、DXの相談でお邪魔してきました。「業務改善をしたい」とのことで、実際にどういう形のDXができるかを聞きに行きました。その道中で考えたことを、動画にまとめています。

YouTube動画。再生できない場合は下のリンクからご覧ください。
【成田でDX相談】AIで簡単になった今こそ大事な「本当に使えるDX」の考え方|ゲールウェストチャンネル

AIのおかげで、業務用のアプリや社内の仕組みは昔に比べてずっと簡単に作れるようになりました。GoogleのNotebookLMに会社の資料を入れてマニュアルや社内ナレッジを作ったり、従業員さんの作業手順に沿ったワークフローを用意したり。業者に頼まなくてもできる範囲が、どんどん広がっています。

ただ、「作れること」と「現場で使い続けられること」は別の話です。納品されたのに誰も使っていないアプリ、最初の数週間だけ触られたツール。DXの失敗は、技術ではなく「本当に使えるかどうか」の部分で起きます。

この記事では、私が大事だと考えている「本当に使えるDX」の条件を整理します。

うまくいくDXは、会社をこう変える

まず「これを使えば何ができるか」から考えたいです。DXがうまくいった会社では、こんな変化が起きます。

  • 紙やExcelを探し回る時間がなくなる:受付から見積・請求まで、情報がひとつの画面で追えます
  • 誰が担当しても同じ品質で仕事が進む:ベテランの頭の中にあった手順が、画面の中に入ります
  • 浮いた時間とお金を、次の投資に回せる:残業が減ればその分のコストが浮き、先行投資や新しい仕事に使えます

個人的に一番大事だと思うのは最後の1つです。私は、DXは事業を成長させるものだと考えています。「効率化できた」「便利になった」で終わると、そこで止まってしまいます。

効率化で生まれた時間を何に使うのか。浮いたお金をどこへ回すのか。導入する前から、DXの先にある会社の姿を決めておくと、「なんとなく便利になった」で終わりません。そこが決まっていないと、導入のスピード感も生まれないと思っています。

「使われないアプリ」はどうして生まれるのか

アプリを簡単に作れるようになった今、一番の課題は「作る側が現場を知らない」ことだと思います。

例えば板金塗装の会社さんなら、見積・部品・修理・請求という大まかな流れは業界共通です。でも、その会社さん独自のルール、社長さんのお人柄、従業員さんの雰囲気やITへの慣れは、行ってみないと分かりません。

コーディングや開発が分からない会社さんがエンジニアに委託するのは普通のことです。でもエンジニア側がその業界のことを深く知らないまま作ると、納品されたものが「これ、本当に使い物になるの?」となって、結局使われないアプリになります。効果を100%発揮できないまま終わるケースもあります。正直、こういう話は結構多いです。

同じ機能でも、「この会社さんなら、こういう形で入っていくと受け入れられやすい」という入口があります。それを考えずに納品すると使われません。だから私は、まず直接会社さんを見せてもらうところから始めたいと思っています。画面の作り込みも大事ですが、現場で働く人たちと話して、業務の内容と職場の空気を把握する。ここを飛ばすと、本当の意味の業務改善にはつながらないと思います。

作る側も頼む側も、確認しておきたいこと

① DXは事業成長を前提に作る

今後、開発を請けるエンジニアや会社でDXを任される人は、コードだけでなく「この会社がどうやって利益を出しているか」「これからどこへ向かうか」を知っておくと強いです。マーケティングや事業成長のことも、これからは作る側が知っておいたほうがいいと思いています。

何を作るかは「事業がどこへ向かうか」で決まります。集客なのか、作業の効率なのか、スタッフの育成なのか。成長を前提に作られたDXは、納品後も伸びていきます。そこを知らないまま作ると、「正しいけれど使われない」ものができてしまいます。

家にこもって開発するだけでは見えない部分です。実際にお邪魔して、クライアントさんがやっている業務や独自ルールを把握したうえでお手伝いする。その形が、お互いのためになると思っています。

② 「誰でも触れる」と「機能が足りる」のバランス

理想は、「会社で一番操作が不安な従業員さんでも触れる」アプリです。いわゆる「サルでもできる」レベルを目指したい。

ただ、そこに寄せすぎると機能が乏しくなります。ボタンを減らしすぎて必要な記録が入らない、確認を省きすぎて間違ったまま進む。簡単さと機能は、どちらかだけを極端に伸ばすと失敗します。

大事なのは、簡易性を保ちながら、納品後の研修やアドバイスで定着させることです。初日の操作説明、使い始めてから出てくる「ここが分かりにくい」の回収、運用に合わせた画面の見直し。アプリを渡して終わりにせず、使いこなせるまで伴走する。ここが「本当に使えるDX」の肝だと思っています。

③ 音声入力とスマホは、期待しすぎない

入力が楽そうに見える音声入力と、どこでも触れるスマホ。どちらも便利ですが、現場で使うなら注意点があります。

手段注意したい点
音声入力工場や店舗では騒音で音を拾わないことがある。使える環境や端末に依存する。現場によっては「話すほうが面倒」になることも多い
スマホ画面が小さく細かい操作が難しい。動作の速さは端末の性能次第。個人のスマホで社内データを見ると、情報漏洩のリスクがある
個人スマホとクラウドサービスの組み合わせは、端末の紛失やのぞき見で社内の情報が漏れる可能性があります。できれば社内のタブレットやPCで操作する。みんなで見る情報は、大きなモニターを置く形が安心です。「新しい入力方法」より「その現場で確実に使える方法」を選ぶのが安全です。

実際に作った例:まず「毎日触れる」形から

私たちも、修理・板金塗装店向けに、受付から見積・修理・請求・入金までを触れる業務デモを作っています。作るときに意識しているのは、まず「少ない入力で毎日触れる」こと。そのうえで、必要な機能を少しずつ足していく形です。

工場の壁に大きなモニターを置き、進行状況をみんなで確認するイメージ画像。実際のシステム画面ではなく、記事用に生成したイラストです。
工場の壁に大きなモニターを置き、進行状況をみんなで確認するイメージ画像。実際のシステム画面ではなく、記事用に生成したイラストです。

イメージのような「みんなが見える場所に大きな画面を置く」運用も、スマホを1人ずつ持たせるより現場に向いていることがあります。作った後も、実際に画面を開いて操作し、つまずいたところを直します。納品は、ここからが本番です。

「本当に使えるDX」は、現場を見るところから

アプリは簡単に作れるようになりました。だからこそ、「この会社で、誰が、どう使うか」を一番最初に考えるのが大事だと思っています。

DXを考えている会社さんは、「まず現場を見せてほしい」と言える相談先を選ぶのがおすすめです。資料だけの提案より、実際に職場を見て話を聞くところから始まるDXのほうが、ずっと現場に根づきます。

私たちも、まず会社さんにお伺いするところからお手伝いしています。

こんな方へ
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※動画は2026年10月に公開したものです。音声入力や端末の向き不向きは、現場の環境によって変わります。

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#DX#業務改善#AI活用#中小企業#現場改善

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