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AI・テクノロジー

AI時代に残るエンジニア・消えていくエンジニア|コードを書く、その先へ

AI時代に残るエンジニア・消えていくエンジニア|コードを書く、その先へ

西澤です。

AIにアプリづくりを任せられるようになったら、エンジニアの仕事はなくなるのでしょうか。

僕は、パソコンの前で作る時間を減らして、お客さんの現場で話を聞き、一緒に困りごとを解決する時間を増やせると考えています。「言われたものを作る」から、「何を変えれば仕事がよくなるかを考え、そこまで持っていく」へ。仕事の重心が変わる、という話です。

その変化について、動画で話しました。

YouTube動画。再生できない場合は下のリンクからご覧ください。
動画:AI時代に残るエンジニア・消えていくエンジニア|コードを書く、その先へ

作る時間が減った先に、どんな仕事が待っているか

たとえば、こんな仕事の進め方です。

午前中はお客さんの会社を訪ねて、担当者がどこで手を止めるのかを見る。持ち帰った困りごとをもとに、AIを使って試作品を作る。次に会うときは、長い説明書を渡す代わりに、その試作品を触ってもらう。

「この操作だと現場では使いにくい」「実は、先にこっちを直してほしい」。そういう反応を聞いて、また直す。

これは特定のお客さんへの納品実績ではなく、AIを使った仕事の進め方のイメージです。作る負担が下がれば、こうした対話と改善に時間を回せます。

お客さんにとっては、「頼んだものはできたけれど、仕事は楽にならない」を減らせる。エンジニアにとっては、完成した画面だけでなく、相手の仕事が変わったところまで見届ける仕事になります。

「この仕様どおりに作ってください」だけでは厳しくなる

動画のきっかけは、IT事業をしているメンターとの会話でした。AIの変化が速い中で、これからエンジニアはどう働くのか、という話です。

今の開発では、発注元から元請け、下請け、さらに孫請けへと仕事が渡ることがあります。上流で「何を作るか」を決め、下流でその指示に沿ってプログラムを書く形です。

僕は、このうち「決まった指示を受け取り、そのとおりに作ること」だけを価値にする仕事は、AIの進歩によって厳しくなると見ています。

これは、下請けの会社や、そこで働く人を否定する話ではありません。複数の会社で責任を分担する理由もあります。ただ、指示どおりに作る作業をAIが担える範囲が広がるなら、人が提供する価値も見直す必要があります。

新しいツールを覚えることは、もちろん続ける。そのうえで、「自分は何を解決するために、その技術を使うのか」まで考えたいんです。

お客さんの要望と、本当の困りごとは同じとは限らない

「こういうアプリを作ってください」と言われたら、そのアプリを作る。分かりやすい仕事の進め方ですが、それで相手の問題が解決するとは限りません。

お客さん自身も、毎日の仕事を当たり前だと思っていて、不便さに気づいていなかったり、原因を別のところに見ていたりします。相手の説明が下手なのではなく、仕事の中にいるからこそ見えにくいことがあるんです。

たとえば「入力を速くしたい」と相談されたら

ここからは、考え方を伝えるための仮の例です。

「注文を入力するのが大変なので、入力画面を使いやすくしたい」という相談があったとします。

その場で画面の改修を決める前に、注文を受けてから処理するまでを見てみる。すると、同じ内容を紙に書き、表計算ソフトに写し、別のシステムにも入力していたとしたら、どうでしょうか。

本当に減らしたいのは、キーを打つ時間ではなく、同じ内容を何度も入力する仕事そのものかもしれません。

最初の要望だけを見ると現場の流れまで見ると
入力画面を速く使えるようにする同じ情報を何度も写していないか調べる
画面が完成したら納品する担当者に使ってもらい、手間が減ったか確かめる
指定された機能の数で話す誰の、どの仕事を減らすかで話す
もちろん、原因が本当に画面の使いにくさにあることもあります。最初から「あなたの考えは違う」と決めつけるのではなく、一緒に確かめる。その結果、「Aを直すつもりでしたが、先にBを変えると楽になりますね」と言える人が、これから頼られると思っています。

AIに作業を任せても、問題選びと確認は人が引き受ける

動画では、AIが作ったものを目標と照らし合わせ、自分で改善を進める未来にも触れています。そうした変化が進めば、人が作り方を一つずつ指示する場面は減っていく、というのが僕の見立てです。

ただし、いつ、どの仕事まで任せられるかは、まだ確定していません。動画の「来年には」という話も予測であって、すべての開発がその時期に置き換わるという事実ではありません。

補足すると、Anthropicの公式解説「When AI builds itself」が扱う「再帰的自己改善」は、AIが次のAIそのものを開発する話です。アプリの修正を繰り返すこととは区別が必要で、同社も完全な実現には至っていないとしています。

だから、AIに全部任せて技術の勉強をやめる、ではありません。作ったものが正しいか、安全に扱えるかを判断する基礎は必要です。お客さんの情報をどこまでAIへ渡してよいか、誰が使える仕組みにするか、公開前に何を確かめるかも、人が決めます。

そのうえで、プログラムを書く作業はAIに任せられる範囲を増やす。人は「この会社がよくなるには何を変えるか」と、「実際によくなったか」に向き合う。その分担に価値があると考えています。

雑談や現場を見る時間が、仕事の中心になる

動画で話した「残るエンジニア」は、お客さんの問題をかみ砕き、解決に必要なことを整理して、ゴールまで持っていける人です。

そのためには、会議で要望を聞くだけでは足りません。従業員さんの働き方を見る。普段の会話の中で、面倒に感じている作業を聞く。「なぜ、この順番なんですか」と尋ねる。

一見、開発とは関係なさそうな時間です。でも、そういうやり取りがないと、画面の向こう側で何が起きているのか分かりません。

僕が動画で「お金だけを追っていたら難しい」と話したのも、ここです。対価をもらうのは当然ですし、何でも無料で引き受けるという意味でもありません。目の前の発注だけを早く処理する姿勢では、相手の本当の困りごとまでたどり着きにくい、ということです。

どこまで調べるか、何を直すかは合意したうえで、相手の仕事を理解しようとする。その積み重ねが、「次もこの人に相談したい」につながると思っています。

次の案件で、最初に聞くことを変える

エンジニアなら、次の打ち合わせで「どんな機能が必要ですか」の前に、こう聞いてみてください。

「それができたら、誰の、どの仕事が楽になりますか?」

続けて、今のやり方を見せてもらう。そこで見つけた困りごとを一つ選び、AIで小さく試し、担当者と確かめる。新しいツールを追うことと、この動き方を身につけることは、並行して進められます。

開発を頼む側も、最初から正確な仕様書を用意しなくて大丈夫です。「同じ内容を何度も入力している」「担当者が休むと仕事が止まる」。まず、その場面を共有してください。

Galewestへの相談は、IT・AIシステム構築から確認できます。具体的な困りごとはお問い合わせへ。アプリの機能一覧より先に、「今、誰がどこで困っているか」を一つ書いてお送りください。

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