西澤です。
交流会やクライアント様にお配りしている紙の資料「AI月報」。2026年10月号が完成しました。
今月の特集は「仕事を任せるAI」です。 そこで、この月報そのものもAIに作ってもらいました。
使ったのは、OpenAIのコーディングAI「Codex」です(中身のモデルはGPT-6 Astra)。 原稿と前号のファイルを渡すと、イラストを描き、PowerPointを組み、PDFに書き出して、文字の抜けがないかまで確認してくれました。

ただ、一発でうまくいったわけではありません。 最初に出てきた初稿は、正直「クオリティ低すぎる」と言って、まるごと作り直してもらっています。
この記事では、Codexで会報誌を作った手順を、失敗した初稿も含めて順番に紹介します。 完成したPDFは、記事の途中から登録不要でダウンロードできます。
AI月報 2026年10月号
PDF・A4 2ページ・約5.7MB/登録不要でダウンロードできます
全体の流れ:人がやったのは「渡す・見る・言う」だけ
先に全体像をお見せします。

私がやったことは、ほぼ3つだけです。
- 載せたい内容(原稿)と、前号の9月号のPowerPointを渡す
- 出来上がったものを見て、気になるところを言葉で伝える
- 最後に、細かい言い回しを自分で整える
やり取りは9月30日の朝と昼の2回。作業時間は合わせて1時間ちょっとでした(Codexの作業ログの時刻から計算)。
最初に渡したもの:原稿と9月号
最初の依頼は、だいたいこんな文章です。
- 9月号のPowerPointを参考に、10月号を作ってほしい
- A4サイズの表裏で、PowerPointで作成
- 内容は「今月の“やばい”AI 3選」「おすすめ課金プラン」「1分AI用語:Jev」「編集後記」の4本
- 9月号より字が小さくなってもいいので、一般の会報誌くらいの文字で内容を濃く
- 美桜や鳥たちのイラストも使ってOK
各コーナーに何を書くかは、箇条書きで私が用意しました。 AIに任せるのは「作る作業」で、「何を伝えるか」は人が決める。 ここは今回も変えていません。
参考に渡した9月号はこちらです。

9月号の中身は【AI月報 2026年9月号】決算月の仕訳帳、マネーフォワードMCPで爆速自動入力してみた(PDF無料ダウンロード)で紹介しています。
初稿は不採用。「デザインを全然踏襲できてない」
十数分で、初稿が届きました。

ぱっと見はきれいです。文字も枠からはみ出していません。 でも、9月号っぽさがない。
9月号の、手作りの会報らしい親しみやすさが消えて、どこにでもある資料になっていました。 美桜も、既存の立ち絵を右上に置いただけ。今月の話題とは関係のないポーズです。 余白も多くて、もっと内容を詰められそうでした。
そこで、こう伝えました。
「デザインとか全然踏襲できてなくてクオリティ低すぎる。美桜も既存のものじゃなくて、その話題専用のものを使って欲しかった。あなたがどこまでできるかを、まず考えてまとめて」Codexに、自分の初稿を振り返ってもらう
返ってきた振り返りは、こんな内容でした(要約)。
- 9月号のデザインを読み解かず、ロゴと色だけ借りて一般的なカード型レイアウトにしたのが問題
- 文字欠けの確認までで「完成」と判断したが、依頼の中心だった誌面の質を満たせていない
- 美桜は話題を伝えるイラストではなく、装飾になっていた
そのうえで「9月号の見出しの形・囲み・吹き出しを分析して組み直せる」「話題に合った美桜の場面を新しく描ける」「ただし、生成イラストの細部は一度で完全に一致するとは限らない」と、できることと限界を表にまとめてくれました。
ここで大事だったのは、この振り返りをファイルに書き残してもらったことです。 「次に頼むときにすぐ作れるように記憶しておいて」と伝えると、Codexは制作方針を1つの文書にまとめました。
- 9月号の誌面表現(見出しの形、手描き風の囲み、吹き出し)を継承する
- 美桜は話題専用の場面を新しく描く。既存の立ち絵を飾りとして置かない
- 余白を減らし、具体例・説明・図解を増やす
- 本人の体験は勝手に足さない。公式情報と本人の感想を分けて書く
- 初稿は不採用。今後の基準にしない
作り直し:Codexが実際にやった5つの作業
お昼に「前回の続きをやってほしい」とだけ伝えると、Codexはまずこの方針メモを読み直してから作業を始めました。 ここからが、今回の本題です。
① 9月号を「画像にして」読み解く
最初にやったのは、9月号のPDFを画像に変換して、自分の目で見ることでした。 PowerPointのファイルを開いて設定を読むだけでなく、誌面として見る。
その結果、Codexは9月号の特徴を次のように言葉にしています。
- 黄色い矢印の見出し
- 大きな場面イラスト
- 少し歪んだ二重の囲み
- 黒板風の用語欄
初稿では、ここが抜けていました。完成版を見ると、この4つがそのまま10月号に入っています。
② 料金とモデル名は、公式ページで確かめる
月報には「GPT-6 Astra」「Claude Opus 5.5」「Jev」の名前や、課金プランの金額が出てきます。 Codexは、OpenAI・Anthropic・TypeSafe AIの公式ページを実際に開いて、数字を確認していました。
たとえばJevの料金は、公式ページの「入力10億トークンあたり42ドル」から計算して、誌面では「入力100万トークン 約0.04ドル」としています。 確認したURLは、PowerPointのノート欄にも残っています。
いっぽうで、「無料枠5ドルで十分試せる」「月3,000円前後のプランでも十分」といった部分は私の体感です。 誌面でも「筆者の体感」「筆者の使用感に基づくおすすめ」と書き分けてくれました。
③ イラストは、話題ごとに新しく描く
今回いちばん変わったのが、イラストです。
Codexに組み込まれている画像生成機能(image_gen)を使い、美桜の参照画像を毎回5枚渡して描いています。 1枚は「この画風で」という基準の画像、残り4枚はキャラクターの顔や服装を伝えるための正式な参照画像です。

プロンプト(AIへの指示文)は英語で、かなり細かく書かれていました。
- 美桜の三つ編みは「本人から見て左側」、白い粒は付けない
- 白いブラウスは黄ばませず、真っ白に
- 文字・吹き出し・ロゴは画像に入れない(文字はPowerPoint側で入れるため)
- 名刺とチラシができあがって、驚きつつ喜んでいる場面
最後の「文字は画像に入れない」がポイントです。 画像の中に文字を描かせると、あとから直せません。文字は全部PowerPointの部品にして、画像は絵だけにする。 分担がはっきりしています。
描いた場面は3つです。

ちなみに、Codexの画像生成は参照画像が5枚までです。 鳥のキャラクターを6枚目として追加しようとして、エラーで止まった場面もありました。そのときは参照画像を5枚に絞って描き直しています。
④ PowerPointは「あとから直せる形」で組む
レイアウトは、Pythonの「python-pptx」というライブラリで組んでいます。 プログラムでPowerPointファイルを作る道具です。
この方法のいいところは、できあがったファイルが普通のPowerPointとして開けること。 見出し・本文・吹き出し・表・矢印は、すべてPowerPointの部品になっています。作り直した版では、テキストボックスが102個、表が1つありました。
画像に文字を焼き込んだ「1枚絵」ではないので、誤字を見つけても自分でクリックして直せます。 実際、最後の細かい言い回しは自分の手で直しました。
⑤ PDFに書き出して、自分で検品する
最後に、Mac版のPowerPointを動かしてPDFに書き出します。 AppleScript(Macのアプリを自動で操作する仕組み)を使って、Codexが自分でPowerPointを開き、PDFとして保存していました。
そのあと、検品用の小さなプログラムで次の点を確認しています。
| 確認したこと | 中身 |
|---|---|
| ページ数・サイズ | 2ページ、A4縦になっているか |
| 文字の抜け | PowerPointに入れた文字が、PDFに全部出ているか |
| はみ出し | ページの外に出ている文字がないか |
| 見た目 | 両面を拡大表示して、重なりや切れがないか |
修正は2回。言葉で伝えるだけ
作り直した版を見て、修正を2回お願いしました。
1回目に伝えたのはこの4つです。
- 「Astra」はChatGPTのGPT-6 Astraのこと。Opusと同じように正しく書いてほしい
- サイトのQRコードは、Jevの欄に置きたい。実際にチャットの動きを見てもらうため
- 「西澤」ではなく「筆者」に
- 課金プランは、それぞれ何ドルのプランか括弧書きで
2回目はこの3つ。
- 会社ロゴや文章が少しずつずれているところを調整してほしい
- 「風早美桜」の名前の文字が見えにくい
- AI用語のところは、美桜ではなくフウにして画像を描き直してほしい
3つ目の差し替えが、こちらです。

どちらも、ファイルを自分で触らずに言葉で伝えただけです。 Codexは指摘を反映してから、もう一度PowerPointでPDFに書き出して、検品をやり直していました。
Jevの欄には、サイトのQRコードと「チャットで『料金を知りたい』と話しかけてみてください」という案内が入りました。 月報を読んだ方が、そのまま弊社サイトの美桜チャットを試せるようにしています。 このチャットの作り方はChatGPTとJevでサイト内チャットを作ってみた。これ、接客にも使えそう!に書きました。
初稿と完成版を並べると
初稿と完成版の表面を並べてみます。

使ったAIも、渡した原稿も同じです。 違うのは、「何がダメだったか」を言葉にして、方針として残したかどうかだけでした。
次回からは「月報を作って」の一言で
最終稿が決まったところで、Codexにもう1つお願いしました。
「こんな感じで次回以降も作れるように記憶して、スキル化してほしい」
スキルとは、Codexに覚えさせておく「作業手順書」のようなものです。 今回の流れを「geppo(月報)」というスキルにまとめてもらいました。中にはこんなことが書かれています。
- 採用した10月号の最終稿を、デザインの基準にする
- イラストは話題に合わせて新しく描く。AI用語欄の解説役はフウ
- モデル名と料金は、毎回公式情報で確認し直す。過去号の数字を使い回さない
- 「文字の抜けがない」だけで品質を判断しない
11月号からは、原稿を渡して「月報を作って」と頼めば、この手順書を読んでから作業が始まります。
やってみて思ったこと
10月号の特集タイトルは「AIに任せるだけで仕事が終わる時代が、本当に来た」です。 月報を作る作業そのものが、その実例になりました。
ただ、「任せるだけ」で終わったかというと、そうでもありません。
- 何を伝えるか(原稿)は、自分で決めた
- 初稿を見て「これは違う」と判断したのも自分
- どこがダメかを言葉にして伝えたのも自分
月報の中にも「まずは、こんな頼み方から」というコーナーを入れました。 目的と素材を渡す → AIが作る → 人が仕上がりを確認する。 今回の月報づくりは、まさにこの流れでした。
編集後記にも書いたとおり、AIを使えば使うほど、自分の仕事は減っていきます。 これから問われるのは、人としての魅力と、AIを使ってスピード感のある問題解決ができるかどうかだと思います。
AIに任せる仕事、一緒に考えませんか
「うちの会社なら、どの仕事をAIに任せられる?」 「チラシや資料づくりを、AIで回せるようにしたい」
そんなご相談をいただくことが増えています。
- 業務にAIを組み込みたい方 → IT・AIシステム構築(料金はこちら)
- サイトにAIのチャットや案内役を置きたい方 → AI社員×オリジナルキャラクター
- ホームページやチラシをまとめて任せたい方 → ホームページ制作・WEBマーケティング
- まずは話を聞いてみたい方 → お問い合わせ
もう一度、10月号のPDFを置いておきます。印刷して社内で回していただいても大丈夫です。
AI月報 2026年10月号
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